Ai Zoom Nikkor 28-50mm F3.5s

50mm時
28mm時
このレンズは単焦点のような小さな広角ズームレンズである。


このレンズの気に入っている点は次の通りである。
・ 単焦点レンズのように小さなズームレンズ。
・ 広角28mmから標準50mmという、普段使いによいズーム域をカバーしている。

・ 開放絞り値がF3.5であり、光量が不足する場面でも使いやすい。

・ 絞り値が変化しないため露出の計算が容易である。
・ 焦点距離50mmのみではあるが、マクロ機能により32cmまでの近接撮影が可能である。
・ 被写界深度を示すカラフルな曲線が目を引く。
・ 直進ズーム方式なので、画角の切り替えとピント調節を連続して行うことができる。

このレンズの気になる点は次の通り。
・ 直進ズームの操作感は若干ぎこちない。超コンパクトな作りゆえに、機構的に無理がある感じを受ける。
・ 絞り環が細くて奥まっているため、操作をしようとしても、指が飾り環と干渉して操作しにくい。
・ シャドー(陰となっている)部分が暗く落ち込む描写傾向がある。そのままでは立体感に欠けるので、シャドー部を少し明るくする補正をかけた方がよいと思われる(作例はシャドー部の補正をかけている。)。

・ 純正フードが希少であり中古価格が高騰している。


このレンズは発売後2年ほどで販売終了してしまったとのことである。
ニコンらしからぬスモールレンズは、その存在がユニークである。


【スペック】
レンズ構成: 9群9枚
最小絞り: 22
最短撮影距離: 0.6m(0.32m)
フィルターサイズ: 52mm
最大径×全長: 68.5mm×65.5mm(75mm)
重量: 395g
フード: HK-12(別売)
希望小売価格: 58000円  ※1986.6.10時点

作例1 焦点距離28mm、絞りf11
作例2 焦点距離28mm、絞りf8
作例3 焦点距離28mm、絞りf8
作例4 焦点距離50mm、絞りf3.5

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